2014年3月19日水曜日

「赤松陽構造と映画タイトルデザインの世界」








『東京裁判』(1983年、小林正樹監督)赤松氏によるタイトルデザイン






文字の訴求力の強さ=映画タイトルデザイン


 私たちがいつも接している大事な情報に「文字」があります。
 本の表紙には必ず書籍タイトルがありますし、展覧会や演劇のチラシにも必ずタイトル文字が使われています。最近ではWebデザインの世界でもポイントになるフォントの役割の大きさがクローズアップされています。  

 しかし「文字」は見やすい、わかりやすいだけでなく、人の心に忘れられない印象や作品の世界を植え付けることこそ大きな醍醐味なのです! 
 この文字をどう見せるか、扱うかは制作者のセンスと技量にかかってきますし、訴求効果の高い、とてもやりがいのある作業といっていいでしょう。

 さて、東京国立近代美術館で4月より開催される「赤松陽構造と映画タイトルデザインの世界」は、そのような「文字」の効果を最大限に生かした芸術をご紹介する展覧会です。映画の世界をより端的に表現したといってもいい、様々な表情を持った赤松陽構造氏の文字の世界……。
 出来上がった作品を拝見すると、制作者の息づかいが伝わってくるような気がするのですが……。
 この展覧会では無声映画時代からのタイトルデザインの歴史についても同時に紹介されるとのこと。楽しみな展覧会です。






 題名のない映画はありません。どんな映画も、題名とともに観客の記憶に刻まれてゆきます。そして、上映が始まる時、題名の文字がどのようにスクリーンに現われるかも映画の楽しみの一つでしょう。字体や大きさや色、動き方によって題字やクレジットタイトルが映画に与える効果は大きく異なりますが、それを具体的な形にし、映画の魅力を高めるのがタイトルデザインという仕事です。そのためにはデザイン力の高さだけではなく、作品世界の的確な把握、文字を描くための技術的熟練、そして鋭敏なインスピレーションが求められます。
 この展覧会「赤松陽構造と映画タイトルデザインの世界」では、現代の映画タイトルデザイン界の第一人者である赤松陽構造氏の業績を紹介するとともに、無声映画時代から華やかな字体で映画を彩ってきた日本のタイトルデザインの歴史についても解説します。『東京裁判』(1983年)のタイトルで大きく注目された赤松氏は、これまで黒木和雄・北野武・黒沢清・阪本順治・周防正行監督作など400以上の作品にタイトルを提供し、現代日本映画を支えてきました。つい忘れられがちながら、常に映画の本質を担ってきた映画文字の芸術をお楽しみください。(展覧会・公式サイトより)


赤松陽構造  あかまつ・ひこぞう
1948
年、東京都中野区生まれ。1969年に急逝した父親の跡を継いで映画タイトルデザインの仕事を始めてから、現在までに400以上の作品を担当、現代日本の映画タイトルを代表するデザイナーとなる。日本タイポグラフィ協会会員。第66回毎日映画コンクール特別賞、文化庁映画賞[映画功労部門]を受賞(いずれも2012年)。(展覧会サイトより)


展覧会構成

・映画のタイトルデザインとは
・日本の映画タイトルデザインの歴史
・赤松陽構造の映画タイトルデザイン
・赤松陽構造の仕事部屋


会期     2014415()810()
       *月曜日および527日(火)から529日(木)は休室です。
開室時間   11:00am-6:30pm(入室は6:00pmまで)
休室日    月曜日
観覧料    一般210円(100円)/大学生・シニア70円(40円)/高校生以下
       及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMATパスポート 
       をお持ちの方、キャンパスメンバーズは無料

       *消費税増税に伴い、201441日以降、一般(個人)の観覧料を
       210円に改定いたします。
       *料金は常設の「NFCコレクションでみる 日本映画の歴史」の
       入場料を含みます。
       *( )内は20名以上の団体料金です。
       *学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの
       方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。
       *フィルムセンターの上映企画をご覧になった方は当日に限り、
       半券のご提示により団体料金が適用されます。
協力     株式会社日映美術、宮下印刷株式会社





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