東京オリンピックを支えたデザイナーたち
今年に入ってから2020年東京オリンピック実現ヘ向けての招致運動が盛り上がってきています。ここ数年日本は国内外ともに元気をなくしていると言われることが多くなりました。けれども、もし東京でオリンピックが開催されることになれば経済効果だけでなく自ずと未来への展望が様々なかたちで開けてくるのではないでしょうか……。
さて半世紀ほど前の東京オリンピック(1964年)は高度経済成長の真っ只中に開催された一大イベントでした。このオリンピック開催に向けてありとあらゆる日本の叡智や技術が総結集されたように思います。その一例として夢の超特急・新幹線の開通がありました。また地下鉄、高速道路、住宅等の整備も急ピッチで進められていったのです。1964年はまさに日本が未来へ向けて大きく生まれ変わった年といってもよかったのかもしれません。
しかし忘れてならないのはこの一大イベントを支えたデザイナーたちの活躍です!「東京オリンピック1964デザインプロジェクト」は亀倉雄策、原弘、河野鷹思、柳宗理、勝美勝をはじめとする日本の錚々たるデザイナーたちが結集して作られたプロジェクトでした。この展覧会ではデザインプロジェクトのオリンピックの前、開催中、終了後と時系列で区切って作品やその工程を紹介する興味深いイベントです。それぞれの作品から伝わる活力、エネルギー、オリジナリティはデザイナーたちが繁栄の象徴でもあった東京オリンピックの陰の立役者であったことを物語っているのではないでしょうか。
…………………………………………………………………………………………………………………
東京オリンピックは、日本の戦後史の重要イベントとして記憶されています。オリンピックとはいうまでもなくスポーツの祭典ですが、1964(昭和39)年に開催された東京オリンピックは、第二次世界大戦で大きな打撃を受けた日本が、その終結からおよそ20年を経て、奇跡的な経済復興を成し遂げたことを国際社会に示す、日本の威信をかけた国家イベントであり、戦後日本のデザイナーが総力を挙げて取り組んだ一大デザインプロジェクトでもありました。
東京でのオリンピック開催が決定すると、1960年には「デザイン懇談会」が組織され、まずデザインポリシーが決められました。そして、デザイン評論家勝見勝の指揮のもと、シンボルマークとポスターを亀倉雄策、入場券および表彰状を原弘、識章バッジを河野鷹思、聖火リレーのトーチを柳宗理が担当したほか、田中一光をはじめとする当時の若手デザイナーたちが施設案内のためのピクトグラム、プログラムや会場案内図などの制作に組織的に取り組みました。その一連のデザインワークはその後の国際イベントのモデルともなり、国民はオリンピックを通じてデザインの力を身近に感じることになったのです。
2020年のオリンピック招致にむけた機運が高まるいま、あらためて1964年の東京オリンピックを振り返り、一連のデザインワークの全体像を追跡します。(公式サイトより)
東京オリンピック1964 デザインプロジェクト
会場 東京国立近代美術館
〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
期日 2013年2月13日(水)~2013年5月26日(日)
料金 一般 420円/大学生 130円
※当日に限り、「MOMATコレクション」もご覧いただけます。
※高校生以下および18歳未満・65歳以上・MOMATパスポートをお持ちの方
キャンパスメンバーズ・障害者手帳をお持ちの方とその付添1名は無料。
割引、無料には学生証、年齢のわかるもの、障害者手帳等の提示が必要です。
休館 毎週月曜日(3月25日・4月1日・4月8日・4月29日・5月6日は開館)
5月7日(火)