2014年10月4日土曜日

オットー・クレンペラー/没後40年記念 アニヴァーサリー・エディション










▲モーツァルト オペラセットBOX







以前は考えられなかった
クレンペラーの名盤が
お得な価格のボックスセットに!

 いまや伝説の巨匠指揮者フルトヴェングラーと同じ時代に生きたオットー・クレンペラー(1885~1973)はクラシックファンにはあまりにも有名なカリスマ的存在の指揮者ですが、そのクレンペラーに最近(と言っても既に2年が経っているのですが……^^;)目を疑うようなCDボックスセット(巨匠クレンペラーの没後40年を記念したアニヴァーサリー・エディション!※輸入盤)がリリースされました。これはクレンペラーファンにとってもそうでない人にとっても、驚愕のCDボックスセットと言ってもいいでしょう。


 どれもこれも見落とせないような名演奏揃いで、しかも一つのボックスが大体6枚から12枚のCDがギュッと詰まった信じられないような珠玉のボックスセットとなっています!価格は平均して2500円前後で発売されており、その安さにもただただ驚いてしまいます。

 ちなみに今回購入したCDセットは「Romantic Symphonies & Overtures」 と題するロマン派交響曲集なのですが、このセットも10枚入りの贅沢な内容になっています。たとえばメンデルスゾーンの3番「スコットランド」や「フィンガルの洞窟序曲」、「真夏の夜の夢組曲」、シューマン1番「春」、3番「ライン」、ベルリオーズ「幻想交響曲」、ウェーバーの序曲集、フランクの交響曲、ドボルザークの新世界交響曲、チャイコフスキーの悲愴等々、昔夢中になった世紀の名演と名高いロマン派の交響曲録音が惜しげも無く投入されているのです!
 これを聴けば誰もがクレンペラーの至芸に打ちのめされてしまうのでは……と思うほど録音も良くすべてに満足度の高いこのボックスセットは、もしかしたらあなたの心の宝物になってしまうかも…。

 一方の雄フルトヴェングラーがステレオ時代に入る前にこの世を去ってしまったのに比べ、ステレオ録音の最盛期1970年代まで活躍したクレンペラーは録音には非常に恵まれていたのかもしれませんね。
 整然としてがっちりとした造型と気品あふれる指揮が大きな魅力だったこの巨匠指揮者の芸術を改めて見直すいい機会になるかもしれません、






2014年10月1日水曜日

クロード・モネ 「睡蓮の池、夕暮れ」









モネの晩年の渾身の作

 全長6メートルにもおよぶ大きさのこの絵は現在「チューリヒ美術館展」(2014年9月25日~12月15日=東京、2015年1月31日~5月10日=神戸)で日本初公開されています。とりわけ印象的なのは画面全体を覆う水面に映った夕陽ですね。
 夕陽に反響した水面は強いエネルギーを獲得し、神秘的な輝きを放っています!これは、当時視力を失いかけていたモネの渾身の作で、そのあまりの絵に対する純粋さに心うたれてしまいます。

 この絵はモネ自身の心象風景なのかもしれませんし、希望の灯を失わずに生きていこうという強い信念が水面に映る夕陽として結実したのかもしれません。

 「時間の流れとともに多彩な表情を映し出す水面とそこに浮かぶ睡蓮の花の対比の面白さ……。」以前の投稿で、モネの睡蓮をテーマとして扱ったとき、こんな表現を使ったことがありました。

 モネは晩年自宅に日本風の池を造り、よくも飽きもせずにと思うくらい睡蓮の絵ばかりを描き続けたのですが、この作品をじっと見ていると、もはや具象とか抽象とかという形式的なジャンルで区分けできるような絵ではないということを痛感するのです。色彩やフォルム、空気感、時間軸までが渾然一体となっており、モネが行きついた最後の境地といっていいかもしれません。

 最晩年にこんなにスケールの大きい意欲作を描きあげたということは、モネにとって睡蓮の池は喜怒哀楽を率直に映し出す鏡であり、心の原風景となっていたのかもしれません……。
 これほどの大作になると、画集や写真で見るよりも原画を直接ご覧になるほうがいいのは間違いないでしょう。なぜなら、画家の絵に込められた息づかいや微妙な色合いのニュアンス等の絵全体から伝わるメッセージは印刷物とではやはり段違いだからです。