イリヤ・レーピン《休息 ー 妻ヴェーラ・レーピナの肖像》1882年
油彩・キャンヴァス143.0 x 94.0 ©Text, photos, The State Tretyakov Gallery, 2012
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イリヤ・レーピン《作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像》1881年
油彩・キャンヴァス71.8 x 58.5 ©Text, photos, The State Tretyakov Gallery, 2012
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イリヤ・レーピン《思いがけなく》1884-1888年
油彩・キャンヴァス160.5 x 167.5 ©Text, photos, The State Tretyakov Gallery, 2012
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ロシアの画家、レーピンを扱った作品展がBunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。日本で本格的にレーピンの作品展が開催されるのはおそらく初めてではないでしょうか? ずいぶん前からレーピンの名前は聞いておりましたし、かなりの実力派画家であることも承知していました。
この展覧会では見覚えのある有名な作品もかなり展示されています。たとえば作曲家ムソルグスキーの肖像画であったり、文豪トルストイの肖像画であったり、「ボルガの船曳」等の最下級層の人々の暮らしぶりを描いた作品等です。その並外れた描写力や表現力はオーソドックスな正攻法の表現にもかかわらず、圧倒的な存在感を私たちに植え付けてくれるのです。
印象的な絵はたくさんありましたが、レーピンは肖像画の世界でひとつの絶対的な領域を築いた人と言えるのではないでしょうか。 特にムソルグスキーの肖像画はモデルが絵の中から飛び出してきそうな臨場感と見事な性格描写によって迫真のドラマを生み出しています!
また鬼気迫る表現が印象的な「思いがけなく」は流刑になったものの、不意に帰宅することになった男と家族の一様に驚く表情がその場の空気を凍りつかせています。このあとドラマがどのように展開していくのかとても気になりますし、人々の表情があまりにもリアルで映像のハイライトを切り取ったような緊迫感さえあります!構図の素晴らしさも特筆ものと言っていいでしょう!
これほどの実力がありながらもその画業が世界的な影響を及ぼすことがなかったのはロシア革命以後、ソビエト政府によってレーピンが社会主義リアリズムの急先鋒として崇め奉られてしまったことが大きいようです。
今回の展覧会はロシア激動の時代に生きた天才画家レーピンの真の実力と精神性を本当の意味で目の当たりにする貴重な機会になるのではないでしょうか!
【展覧会情報】
会場 Bunkamuraザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
会期 2012年8月4日(土)~10月8日(月)
入場料 一般=1,400(1,200)円
高大生=1,000(800)円
小中生=700(500)円
*( )内は前売/20人以上の団体料金
*障害者手帳をお持ちの方は無料
休館日 会期中無休
開館時間 10:00~19:00(金・土曜日は21時まで開館)
*入館は閉館の30分前まで
問い合わせ 03-3477-9413
主催 Bunkamura
回展 2012年10月16日(火)~12月24日(月・祝)浜松市美術館
2013年2月16日(土)~3月30日(土)姫路市立美術館
2013年4月6日(土)~5月26日(日)神奈川県立近代美術館葉山
公式サイト http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_repin.html