2013年11月1日金曜日

劇団四季「Song & Dance 60 ようこそ劇場へ」







 先日、四季劇場(秋)で開催された劇団四季60周年記念「ソングズ&ダンスようこそ劇場へ」を観てきました。華麗なダンスはもとより、安定した歌や演出の絶妙のコンビネーションが素晴らしかったですね。特に休憩前の1部はアグレッシブでそれぞれの演目のメッセージがよく伝わってきました。
 これだけ様々な演目のミュージカルナンバーを拾ってくるということになると、全体の流れが散漫になったり、場つなぎ的になったりするものですが、そこはさすが四季だけあっていろんな趣向が凝らされていて見ていて飽きません。ただし、それは四季の演目をある程度観てきた人に言えることであって、四季の演目が初めてという方にとっては、何が出てくるのかわからない歌や踊りの玉手箱的な感覚で観ることになるでしょう。

 余計なことかもしれませんが、できれば、それぞれ違うナンバーでありながらも一つのストーリー性を持った作品として仕上げていただければ(歌やダンスは多少アレンジしたとしても…)もっともっとエキサイティングで感動的なプログラムになるのでは……と思ったりもするのですが、いかがでしょうか?
 なぜならばプログラムの曲目や演目が変わるたびに、自分の頭の中で微妙に観るモードを変えるというのは意外に疲れるし、どうも違和感があるのですね……。

 とはいうものの、踊りにはキレがあるし、歌を絡めた見せ場も多く、流れるように次々と展開される舞台の設定や演出にはやはり魅了されました。しかも要所要所での見せ方が本当にうまいです……。ハイライトを集めたプログラムですが、これならお客様は満足して家路につくことでしょう。

 感心したのはいくつかのボーカルナンバーのメインを務めた佐渡寧子さんの終始安定した歌のうまさでしょう。歌のうまさだけではなく、情感がスーッと染み込んでくるような味わい深い歌唱は圧巻でした。今後も四季にはなくてはならないボーカリストとして、その存在感は増すばかりでしょう。
 また、しなやかなダンスや透明感のある歌声が可愛らしい宮田愛さんが印象的でしたね。特にリトルマーメイドの「どんな夢より」は宮田さんのキュートな魅力が歌と踊りの中で見事に発揮されたナンバーだったように思います!
 
 公演終了後には出演された役者さんたちとの握手があり、グッと距離感が近くなった感じがしてうれしかったですね! この親近感こそが四季の真骨頂なのでしょう。