2014年8月22日金曜日

ジャック・ドゥミ映画/音楽の魅惑

















映画を見る歓びを実感させてくれる
数少ない監督

 ジャック・ドゥミは60年代を中心に活躍したフランス人監督ですが、映画を見る歓びを実感させてくれる数少ない監督の1人でした。
 特に「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」で描かれたブロードウェイミュージカルでは味わえないオリジナリティあふれる演出は秀逸でした。
 センス満点の映像や情景描写、ミシェル・ルグランと組んだ音楽は今もなお私たちの心をとらえて離しません。音楽と映像の幸福な融合とはこのドゥミの作品を指すものなのでは……と思ったりしたものです。

 さて、国立近代美術館フィルムセンターでジャック・ドゥミが映画で制作したシナリオのデッサンや貴重な撮影スナップが展示されるようですね。
 ドゥミが映画を制作する原点に触れ、その生涯を垣間見る映画ファンにとっては堪らない企画展かもしれません。





ジャック・ドゥミ映画/音楽の魅惑
Le monde enchanté de Jacques Demy


会場  東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(企画展)
期日  2014828()1214()
    *月曜日および99日(火)から912日(金)、
    1014日(火)から1023日(木)は休室です。
開館  11:00am-6:30pm(入室は6:00pmまで)
料金  一般210円(100円)/大学生・シニア70円(40円)
    高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)
会場  東京国立近代美術館フィルムセンター 
    シネマテーク・フランセーズ




『シェルブールの雨傘』(1964年)、『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)など、フランス映画にミュージカルの歓びをもたらし、日本でも高い人気を誇る映画監督ジャック・ドゥミ(1931-1990)。港町ナントに生まれ、ドキュメンタリーの助監督を経て長篇デビュー作『ローラ』(1961年)を発表した彼は、その分身ともいえる作曲家ミシェル・ルグランらとの共同作業を通じて、1988年の遺作『想い出のマルセイユ』まで世界の映画ファンを魅了してきました。女優カトリーヌ・ドヌーヴを世界的なスターにしたドゥミは、またフランス各地の美しい都市を舞台にしてきた“ヌーヴェルヴァーグの地方作家”でもあり、その評価は近年ますます高まっています。
 この「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」は、昨年パリのシネマテーク・フランセーズで行われた展覧会の初のアジア巡回で、スチル写真や撮影スナップ、美術デッサンや製作資料、さらにドゥミ本人のアート作品も紹介しながら、ある時は晴れやかに、時にはメランコリックに、色とりどりのファンタジーを観客に届けてきたその生涯と業績を振り返ります。



展覧会構成

*ナントという磁場 <1931-1963
*しあわせのメロディ <1963-1967
*ロサンゼルスへの旅 <1968-1969
*夢のリボン <1970-1978
*心の鼓動 <1979-1990
*ドゥミの世界