2016年4月20日水曜日

午前十時の映画祭7












往年の名画ファンの夢を
叶える素晴らしい企画

 どうも最近公開される映画には気持ちが向かなくなったというか……、食指が動かされる映画が少ないのが事実です。でも往年の名画には何度も見てみたい作品がたくさんあったんだけどなぁ……!
 そのような往年の名画ファンの夢を実現したといえる企画が「午前十時の映画祭」シリーズです。すでにシリーズ7回目となるそうですが、ラインナップを見ると、どれもこれも名画ファンには懐かしいタイトルばかり! 毎週見ようかな……!?と思ってしまうほど、洋画、邦画の名作のオンパレードです。 
 もちろん、楽しめるのは往年の名画ファンばかりではありません。「こんな映画があったのか!」と、老若男女を問わず楽しめる要素が充分だし、映画の奥の深さ、映画の素晴らしさを再発見できる素晴らしい企画だと思います。

 ちなみに私がお勧めなのは「マイフェアレディ」、「旅情」、「アマデウス」、「モンパルナスの灯」あたりですね。当然のことですが、映画館で見るのと自宅でビデオを見るのとでは、音響、画質、臨場感等々で、まったく違う感覚、感動があります。改めて往年の名画にどっぷり浸かる幸福感を味わいたいものですね……。




「午前十時の映画祭7
上映作品決定、上映劇場のご案内
2016/02/19

「午前十時の映画祭7の上映作品、上映劇場が決定いたしましたのでお知らせいたします。
特にご注目いただきたい作品は、4Kデジタルリマスターで蘇る黒澤明監督の代表作「七人の侍」。
ようやく上映が実現したオードリー・ヘップバーンの名作「マイ・フェア・レディ」。また夏休みには「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作の連続上映を全劇場で同時実施します。
今回はじめて上映する外国映画19本、日本映画4本、これまで上映した作品で人気の高かった作品6本、合計29本をラインナップ。詳しくは、公式サイトをご覧ください。

開催概要   201642日(土)~2017324日(金)
開映時間   毎朝10劇場によっては開映時間が異なります。
上映期間   1作品2週間または、1週間上映
開催劇場   全国55劇場
入場料    一般 1,100円/学生 500
上映方式   デジタル素材による高画質DCP上映
公式サイト http://asa10.eiga.com/2016/


2016年4月18日月曜日

ボナール 田園交響曲(田舎)







芳醇な香りを
放つ色彩

 ボナールと言えば真っ先に思い出されるのがセンス満点の色彩感覚です。これは彼の絵のすべてに共通するものですが、形や構図のバランス等の一切を抜きにしても、なお魅力的な絵というのはボナールだけかもしれません……。

 それほど彼の色彩には他の画家とは一味違う独特の魅力があるのです。透徹していて、甘美で洗練されたムードを漂わせているといったらいいのでしょうか……。おそらく天性のカラリストなのかもしれません。
 知的でありながら繊細でかつ感覚的、しかも芳醇な香りを放つ色彩はそれぞれが絵の中で不思議な魅力に満ちています。そしてそれは個性の輝きと相まって、絵の空間で豊かなハーモニーを奏でるのです。

 「田園交響曲」でもペールブルーの木々の背景に着色された緑や青紫がとても印象的です! また絵の下半分を占領するベージュの色彩の幅も大変広く、ボナールはその一つ一つの要素にさまざまなニュアンスと情感を吹き込んでいるのです。

 それはただの色ではなく、呼吸をするように私たちの五感に無理なく浸透する癒しの形であり、心の扉を開放する優しい戯れでもあるのです。
 何よりも洗練された甘美な色彩は観る者の目を釘付けにする特別な効果を持っているといっていいでしょう。そして、極力シンプルで意味深い線と形がますますこの絵に叙情的な魅力を降り注いでいるのです!