描かれた背景や着眼点を見いだすこと
ワシリー・カンディンスキー
《二本の線》
1940年, 60.0×70.0cm, ミクストメディア・カードボード
先日、ブリヂストン美術館の企画展「筆あとの魅力-点・線・面」を観てきました。いわゆるブリヂストン美術館所蔵の作品展なのですが、さりげない演出のうまさに感心いたしました。
まず最初のコーナーで眼に飛びこんでくるのが、今回のテーマにとりあげられている「点・線・面」を代表するそれぞれの作品の展示です。 実はこの「点・線・面」という括りは絵画を理解する上では非常に大切な要素のひとつでもあります。絵画のアウトラインとでもいうのか、その人が何を表現しようとしているのかとか、どんなメッセージを伝えようとしているのかを見極めるにはいい判断材料なのかもしれません。
それにしても、ジョアン・ミロやパウル・クレー、カンディンスキーら個性の際立つ画家の作品にしっかりとした解説が付け加えられていて良かったですね!
もしかしたら、カタログからの転載なのかもしれません……。でも鑑賞する人の視点に立った作品の理解を深める丁寧な解説だと思います。
タイトルにもあるとおり「点・線・面」」というテーマは抽象絵画をはじめとする現代の巨匠たちの絵にこそふさわしく、描かれた背景や着眼点を見いだすことや絵画の可能性を発見するという意味ではこのような企画は貴重だと感じました。
見慣れた絵画でもテーマをはっきりすることによって、それまで見えなかったものが見えてくるようになるというのは素晴らしいことではないかと思います。ぜひまた別のテーマで絵画を興味深く鑑賞できる展覧会を実施して期待しています!!