いよいよ2013年のスタート‼
遅ればせながら、新年のご挨拶をさせていただきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年になると「新しい出発だから気難しくなく、暗くなく、わかりやすく美しい曲を聴きたい」と身勝手な願望を抱いたりするものです……。
でも、その願望にしっかりと添えられる曲があります! それはヘンデルのハープ協奏曲です。この曲は何度も聴いているのですが、変な理屈っぽさがまったくありません。何て美しくエレガントな曲でしょうか! しかも曲は親しみやすくたちどころに聴く人の脳裏に刻まれ、心にも記憶される名曲中の名曲です! ハープの音色は他の楽器にはない雅びな雰囲気があって、新年のスタートには最高かもしれません。
おそらく、ほとんどのハーピストはこの作品が好きでしょうし、演奏のプログラムには必ず入れたいと思うことでしょう。これほどソリストの心を捉えて離さない作品も珍しいのではないでしょうか。
この作品(特に第1楽章)はいろんなところで巧みにBGMとして使われており、知らない人はいないのではないでしょうか! それくらい有名で、「あっ、あの曲か!」と誰もがうなずかれることでしょう。
まず旋律がハープの音色にピッタリで、聴いていてなぜかとても心が軽くなってくるのです……。何よりもハープからつまびかれる音に輝きと気品があり、瞑想的な美しさにも満ちているのです! 特に第2楽章の高貴な香りと夜のしじまに奏でられるようなハープの独奏や陰影に彩られた格調高い雰囲気は最高です。
第1楽章、第2楽章もハープの美しさが見事に生きており、3楽章合わせても10分少々で、至福の時間はあっという間に過ぎてしまう感じです!
演奏はリリー・ラスキーヌのハープとパイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団(エラート)の演奏が数十年経った現在でも定番と言えそうです。何よりもラスキーヌの天上の調べのようなハープの美しさは今もって最高です。特に第2楽章の美しさは絶品で、凜として典雅な響き、繊細な表情が曲の美しさをくまなく引き出しています。
ただ残念なことに、現在のところラスキーヌの演奏したハープ協奏曲は廃盤が多く、なかなか手に入りにくいかもしれません。CDショップ等で確認していただき、入荷されるのを気長に待っていただくのがいいでしょう……。