2012年3月30日金曜日

展覧会「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」



「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」


レオナルド・ダ・ヴィンチ 《ほつれ髪の女》 1506-08年頃 
褐色土、緑色アンバー、鉛白、板 パルマ国立美術館蔵

ルネッサンス、否、長い西洋絵画史を代表する画家でありながら、建築家、科学者でもあり、謎も多いとされる天才画家レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の絵の素晴らしさは誰もが認め賞賛するところですが、今なおその生涯は神秘のヴェールに覆われています。
今回の展覧会「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」はダ・ヴィンチが絵画を通して後世に伝えたかった創作の核心の部分に光を当てるようです!とにかく門外不出であった数々の作品が初めて日本で披露されるところが一番の見どころでしょう。この展覧会であなたもダ・ヴィンチとの距離がぐっと近くなるかもしれませんね…。


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本展は、《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など世界的な名画を残した巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの美の系譜に焦点を当て、ダ・ヴィンチの作品、弟子との共作、弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちによって描かれた約80点もの作品、資料を通じて、ダ・ヴィンチの創造した「美の理想」の真髄に迫るものです。
 十数点しか現存しないといわれているダ・ヴィンチの作品のうち、日本初公開となる円熟期の傑作《ほつれ髪の女》や、若き日の習作《衣紋の習作》、プライベート・コレクションのため、あまり目にする機会のないもう一つの《岩窟の聖母》が一堂に。また、ダ・ヴィンチから強く影響を受けた弟子の作品、後世の画家たちによる様々な《モナ・リザ》など、出品作品の約9割が日本初公開となる本展は、ダ・ヴィンチの魅力を存分に堪能できるかつてない展覧会です。(美術館サイトより)


会場    Bunkamuraザ・ミュージアム 
      東京都渋谷区道玄坂2-24-1
会期    2012331日(土)~610日(日)
入場料   一般=15001300)円
      高大生=1000800)円
      小中生=700500)円
      *( )内は前売/20人以上の団体料金
      *障害者とその介護者1名は入館料が一般:800
      大学・高校生:500円、中学・小学生:400円(要障害者手帳)
休館日   4/23(月)
開館時間  10001900(金・土曜日は21時まで開館)
      *入館は閉館の30分前まで
問い合わせ tel. 03-3477-9413
主催    Bunkamura、毎日新聞社、テレビ朝日


2012年3月28日水曜日

メンデルスゾーン 無言歌



Mendelssohn: Songs Without Words by Livia Rev




 詩のようなスタイルで心象風景や感情、情緒の描写を表現したピアノ作品がメンデルスゾーンの「無言歌」です。「春の歌」、「狩りの歌」、「ヴェネツイアの舟歌」、「5月のそよ風」等、親しみやすく覚えやすい曲が満載で、どなたも1度はこれらの曲を耳にし、気持ちが和んだことがあるのではないでしょうか? 

 懐かしいメロディ、繊細で優しいフレーズ、気品に満ちた曲調! ピアノ入門者にとって「無言歌」はまさに未来へと続く光の扉のような存在です。
全体は8巻から構成され標題がついた曲が多いのですが、実際はメンデルスゾーンによってつけられたものはわずかなのです。彼は標題によってイメージや表現が枠にはまってしまうことを非常に嫌っていたようです。

 この作品ではベートーヴェンの演奏で効果を発揮するペダルを強く踏む強い意志の表現はあまり必要とされません。それよりも、わずかな四季の変化にも敏感に反応するような繊細な感性が要求されるのです。自分なりの味付けや大胆なデフォルメ、個性的な表現はそぐわないといっていいでしょう。
 何よりも美しいメロディラインに敬意を払いながら原曲に忠実に、みずみずしい感性を信じながら弾くことが曲を魅力的に聴かせるポイントなのです。過剰な表現欲に溺れず、どれだけ新鮮な気持ちで曲に向かっていけるかが「無言歌」を演奏する上での試金石となりそうです。

 この曲の演奏は先に挙げた特徴から自然に旋律線を歌わせつつイマジネーション豊かなピアノ演奏をするハンガリー出身の女流ピアニストのリヴィア・レフ(ハイプリオン)を推したいと思います! とにかく表情が自然で音楽は停滞することなく流れていきます。即興的な味わいも魅力ですが、何より惹かれるのが端正で洗練された造形! メンデルスゾーンの本質をズバリ突いた素晴らしい演奏ではないでしょうか。