いわさきちひろの知られざるエピソード
映画のポスター |
いわさきちひろさんの生涯をドキュメンタリータッチで描いた映画『いわさきちひろ~27歳の旅立ち~』が7月18日から公開されるようです。いわさきさんといえば小学校の頃に教科書や教材、あらゆる絵本などでそのおびただしい作品にお目にかかったものでした。子どもを見つめる眼差しはとても暖かく優しさに満ちており、彼女の持ち味を最大限に伝える水彩画の嫌味のない画風は今でも忘れられません。
子どもをテーマにあらゆる絵本や挿絵を手がけた彼女ですが、とりわけ水彩のにじみやかすれの夢幻的で神秘的な美しさは印象に残ります。無邪気で愛らしい子どもの表情、屈託のないしぐさは大人でさえ童心にたち帰らせる無限の優しさがありました。
時に心の動きを見つめるような子どもたちの世界…。しかも子どもたちの眼差しは清々しく純粋無垢でありながらすべてを見透かしているようにも思える…。「厳しい人生を生きたからこそ優しい絵を描き続けた」というこの映画のキャッチフレーズがありますが、外連味のない私小説や日記のような絵を書き続けられたのもいわさきちひろが心底平和と愛情の大切さというものを実感していたからなのでしょう!
『いわさきちひろ~27歳の旅立ち~』はエグゼクティブプロデューサーとして映画監督の山田洋次、監督にNHKの数々の報道番組を手がけてきた海南友子の各氏が担当します。布陣から察する限り出来栄えの悪い映画になる要素は一つもなく、大いに期待が持てそうです。いわさきちひろの実像を理解することによって彼女の絵もより一層深く心に語りかけてくるのではないでしょうか。
公式サイト
公式サイト
この映画の公開を前提に特集を組んだと思われる芸術新潮の7月号も素晴らしい内容とエピソードの数々で充実しています!
芸術新潮7月号特集より |