2012年12月31日月曜日

テレマン 2つのフルート、2つのオーボエと弦楽のための協奏曲変ロ長調 TWV54:B2






 テレマンはバロックを代表する大作曲家であり、その音楽の魅力ははかり知れません。実際テレマンが活躍していた当時の名声はかなりのものだったようで、事実上当代最高の作曲家と言っても過言ではなかったのでした。しかし、今「テレマン」と言ってもどれだけの人がその作品を知っているのでしょうか?

 今やバッハやヘンデルの後塵を拝し、ヴィヴァルディやスカルラッティに比べても知名度ではかなり後れをとるようになってしまったのですが、作品そのものは素晴らしく本当の意味でバロック音楽の真髄を伝えてくれる作曲家なのです。
 テレマンの特徴としてはバッハにやや似たドイツバロック的な毅然とした雰囲気もあり、ヘンデルに似た大らかで自由な曲のスタイルを持っていたりもするのですが、彼らほどストイックではなく、真に音楽を聴く喜びを素直に伝えてくれるのです。

 テレマンの作品では何と言っても「ターフェルムジーク」が別格的に有名です。この「ターフェルムジーク」は様々な独奏楽器が活躍し、しかも自由な音楽形式で成り立っており、その多様な曲のバリエーションと発想の豊かさには驚かされます!

 今回とりあげるのは「2つのフルート、2つのオーボエと弦楽のための協奏曲」です。これは肩の凝らない良くまとまった逸品ですね!この作品では何と言っても楽器のコラボが優しい対話のように進行し、とても愛らしく親しみやすい雰囲気を作りあげているのです!

 4楽章から成っているのですが、全曲を通してもせいぜい10分少々の作品です。 それでも疲れたときに聴くと、何と優しく懐かしいメッセージとなって語りかけてくれることか……。
 曲の流れ、テンポもよく、テレマンをこれから聴き始めようとされる方にはうってつけの作品かもしれません。

 録音はホリガー(オーボエ)、ニコレ(フルート)、フューリー指揮カメラータ・ベルン他(Archiv)がソリストたちの呼吸の素晴らしさと表情の豊かさ、曲に対する共感の深さで絶品です! 作品の魅力を最大限に引き出した稀有な名演奏と言えるのではないでしょうか!





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