絵画のように色彩豊かで、夢のようなファンタジー溢れる作品!
ラヴェルの「マ・メール・ロワ」はそのような瑞々しい感性が詰まった魅力いっぱいの作品と言えるでしょう!
「マ・メール・ロワ」は「マザー・グース」等の子ども向けのおとぎ話を題材にした5つの小品から成るピアノ四手連弾の組曲です。この作品はそもそもピアノの連弾作品として発表されたわけですが、後に管弦楽曲として編曲されたヴァージョンは管弦楽の名手としてのラヴェルの手腕もあって、いっそう素晴らしい作品として蘇ったのでした。
目を閉じて聴いていると情景が鮮やかに浮かんでくる曲ばかりで、その表現力、感性には改めて脱帽させられます。楽器の使い方もことごとく的を得ており、これほど雄弁でニュアンス豊かな作品も珍しいのではないでしょうか?そういうことで、この作品は才人ラヴェルのファンタジックな音楽絵本とでも言ったらいいのかもしれません。
この作品はジャン・マルティノンがシカゴ交響楽団を振った演奏を推したいと思います。色彩豊かでありつつ、無垢な表情を醸し出すその音色はファンタジーそのものと言えるでしょう!楽器の存在感も充分なのですが、デリカシーあふれる叙情的な柔らかさにも不足しません。