2011年5月25日水曜日

ワシントンナショナルギャラリー展



19世紀絵画の神髄を俯瞰できる展覧会



  ワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する12万点の作品の中でも、特に質の高さと絶大な人気を誇るのが、その数およそ400点の印象派とポスト印象派の作品群です。本展では、その中から日本初公開作品約50点を含む、全83点を紹介します。
クールベやコローらバルビゾン派や写実主義を導入部とし、印象派の先駆者といわれるブーダンやマネを経て、モネ、ルノワール、ピサロ、ドガ、カサットら印象派に至り、セザンヌ、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、スーラなど、それぞれの表現によって印象派を乗り越えていったポスト印象派に続きます。
 17年ぶりに来日するエドゥアール・マネの《鉄道》、日本初公開のフィンセント・ファン・ゴッホの《自画像》、ポール・セザンヌの《赤いチョッキの少年》、そして同じくセザンヌが父を描いた初期の名作《『レヴェヌマン』紙を読む父》など、いずれもワシントン・ナショナル・ギャラリーの「顔」、美術史において印象派、ポスト印象派を語る上で欠かせない名作の数々です。まさに、「これを見ずに、印象派は語れない」。(展覧会サイト・みどころより) 



エドゥアール・マネ 《鉄道》1873年 油彩・カンヴァス
National Gallery of Art, Washington Gift of Horace Havemeyer in memory of his mother, Louisine W. Havemeyer





フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》1889年 油彩・カンヴァス
National Gallery of Art, Washington Collection of Mr. and Mrs. John Hay Whitney






ポール・セザンヌ 《赤いチョッキの少年》1888-1890年 油彩・カンヴァス
National Gallery of Art, Washington Collection of  Mr. and Mrs. Paul Mellon,
in Honor of the 50th Anniversary of the National Gallery of Art








ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション



会期:   2011年6月8日(水)~2011年9月5日(月)

会場:   国立新美術館 企画展示室1E
      東京都港区六本木7-22-2
開館時間: 午前10時~午後6時 
      ※入館は閉館の30分前まで
休館日:  毎週火曜日
主催:   国立新美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社

観覧料金: 一般1,500円(1,300)、大学生1,200円(1,000)、
      高校生800円(600)円
      ※中学生以下無料
      ※( )内は前売/20人以上の団体料金
      ※障害者手帳をご持参の方と付き添いの方1名は無料
      ※7月16日(土)、17日(日)、18日(月・祝) は高校生無料観覧日
      (学生証提示が必要)
問い合わせ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
公式サイト:国立新美術館 

交通:   東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口
     (美術館直結)
      都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
      東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
      アクセス





巡回:   京都市美術館(京都市左京区・岡崎公園内)
      2011年9月13日(火)-11月27日(日)


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 ワシントン・ナショナル・ギャラリー展は日本で初公開の作品が多く、歴史的に見ても重要な位置づけにある作品が展示されるようです。しかも19世紀の印象派からポスト印象派に至る絵画史の中で最も重要なターニングポイント期にあたる作品が中心になります。画家達が生きた当時の歴史的背景と重ね合わせて鑑賞すれば、なぜそのような絵を描くに至ったのか……。画家達の熱い鼓動や想いが聴こえてくるかもしれません!



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2011年5月23日月曜日

マーラー 交響曲第6番イ短調







  マーラーの交響曲が今アツイです!確かマーラーブームが始まったのは1980年代の後半だったように記憶しているのですが、2000年代に入ってからその勢いはまったく衰えることなく、現在はピークに達しようかという勢いです。もちろんレコーディングも多く、毎月各レーベルから新譜が5〜7枚出ることも珍しくありません。日本でのコンサートも多く、しかも実力派指揮者が交響曲シーリーズとして録音も兼ねて指揮することも珍しくない状況です。現代は本当にマーラー交響曲百花繚乱の時代と言っていいのかもしれません。

  今、何故これほどマーラーの交響曲がクラシックファンの支持を得ているのでしょう?
 まず思い浮かぶのは一般のクラシック音楽にはない柔軟性の高さやユニークな曲想があげられるのではないでしょうか。
 たとえば、突然スペクタクル映画の効果音のようなメロディが現われたかと思えば、コミカルな経過句があらわれたり、ディズニー映画を思わせるファンタジックな曲調も顔を覗かせる等、その音楽の要素は一筋縄ではいきません。しかし、この不意打ちのようなさまざまな要素は意外に現実味を帯び、多くの人の共感を呼んでいることも間違いないのです。
 そして古典の交響曲作品のように、弦楽器中心ではなく金管楽器や木管楽器が対等のレベルで活躍し曲を盛り上げるところも、多様な価値観が渦巻く現代にあっては非常に大きな魅力になっているのだと思います。
 
 逆説的にいえば、モーツァルトやベートーヴェンの場合は外観があまりにもすっきりしているため本質をしっかり捉えていないと思わぬ大失敗する恐れも多く、リスクを抱えやすいのです。
  しかし、マーラーの場合は楽器の数が圧倒的に多く、演出効果も加味しながら大編成で演奏されることが多いためにマーラーの音楽に心底共感し、理解している人ならば名演奏になる確率が非常に高くなるのです。
 マーラーのスコアに対する指示も大変に細かく、それを見ても作品の全体像がある程度わかってしまうほどです。マーラーの曲に対するこだわりは尋常ではなく、それは作曲家というより、指揮者的な観点が強いのかも知れません。

 ところで交響曲第6番はマーラーの中期の名作です。ただし、「第一・巨人」、「第二・復活」、「第四」、「第五」、「第九」、「大地の歌」のようにコンサートの花形的プログラムではありません。そのかわり、本質的なマーラーの人となりはこの作品で充分に味わうことができるでしょう。時に「晦渋すぎる」、「重々しくて愉しめない」という意見もあったりしますが、彼の最高傑作のひとつ「第九」に通ずる、虚飾を極力排除した深い表現は何度聴いても飽きません。

 第1楽章で現れる「アルマのテーマ」は愛おしさや哀愁を滲ませた美しいメロディですが、悲劇的で豪壮な行進曲風のメロディに代表される第1主題といい意味で対比され、マーラーがこの曲でいいたかった全体的なイメージが見渡せるようになります。
 第2、第3、最後の第4楽章と通常のマーラーとは違い古典的でありつつ抽象的な主題、旋律が続き、片時も息をつけない展開が続きます。


 演奏で忘れられないのはベルティーニが2002年に東京都交響楽団を振ったフォンテック盤です。取り立てて強い主張があるわけではありませんが、全楽章を通じ意味深く、豊潤な響きで貫かれています。何度も鑑賞に堪える素晴らしい名盤といえるでしょう。
 東京都交響楽団は現在もエリアフ・インバルの定期コンサートで素晴らしいマーラーの演奏を繰り広げています。



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2011年5月22日日曜日

クラシックの無料コンサート


意外に多い無料コンサート

  何気なくクラシックのコンサート情報を探していると、意外と知らなかった無料コンサートが多いことに気づかされました。しかも大体が昼休みを意識した肩の凝らない内容(45分から1時間くらいの演奏が多い)のものがほとんどです。時間さえ許せば、「いい時間」、「貴重な気分転換」が期待できそうなこういう機会をドンドン活用したいものですネ!

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◯ランチタイム・パイプオルガンコンサート(東京芸術劇場)

東京芸術劇場のランチタイム・パイプオルガンコンサートは、入場無料で12時15分から約30分間ほど演奏をお楽しみいただけます。 お客様のお時間に合わせてゆったりと気軽に音楽を楽しんでいただきたい。
そんな思いで続けてきたこのコンサートは、今年でなんと11年目を迎えました。
約9,000本のパイプから成る劇場のオルガンは世界最大級の規模を誇り、また歴史上異なるスタイルのオルガンをひとつにまとめるという発想から、二面で三つの様式を持つ非常に珍しいオルガンです。
それぞれのオルガニストが紡ぎだす音楽と、演奏者によって音色を変えるオルガンの魅力を是非お聴きください。(サイトより)

※東京芸術劇場は2012年9月まで改装工事中
http://www.geigeki.jp/saiji_002.html



◯ランチタイム・コンサート(東京オペラシティ)
【今後の予定】
5月30日(月)コンサートホール 3F  11:45~12:30 
情熱のバリトンコンサートvol.2 ~ソプラノゲストと贈るカンツォーネとイタリアオペラのひととき~

金 努 バリトン
沼生 沙織 ソプラノゲスト
岡田 真歩 ピアノ

(曲目)
オ・ソレ・ミオ
帰れソレントへ
オペラ「イル・トロヴァトーレ」より  2重唱 他
お問合せ/東京オペラシティレストラン&ショップ
TEL.03-5353-0700 東京オペラシティレストラン&ショップのページへ


5月24日(火)近江楽堂 12:30~13:00/13:30~14:00
フラウト・トラヴェルソ&チェンバロ ~バロック音楽の響き~

岩井 春菜  
染田 真実子  
岩井 春菜 フラウト・トラヴェルソ
染田 真実子 チェンバロ

お問合せ/近江楽堂 TEL.03-5353-6937
近江楽堂のページへ

東京オペラシティに関するお問合せ 東京オペラシティ商業テナント会事務局
TEL. 03-5353-0700(平日9:00~17:30)

◯オルガン プロムナード コンサート(サントリーホール)




木曜日のランチタイムに開催
   1991年10月より木曜日のランチタイムに開催しているオルガンの無料コンサート。パイプ数5,898本を持つ世界最大級のオルガンの響きをお楽しみいただけます。皆様に気軽に足を運んでいただけるように大ホールを開放、演奏中の出入りも自由です。
   近隣にお勤めの方々から遠方にお住まいの方々まで、多くのお客様にご好評をいただいています。各公演の曲目、出演者プロフィールは公演日1週間前より掲載します。

各日とも12:15開演 (12:00開場、12:45終演)
【今後の予定】
6月16日(木) オルガン:吉田愛
7月14日(木) オルガン:ドゥニ・ボルダージュ
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/060119.html


◯ティータイムコンサート(東京都交響楽団&東京文化会館)

東京文化会館大ホールロビーにて、昼下がりのティータイムコンサート(無料)を開催いたします。
(共催:東京文化会館) 
お早めにお越しいただくと、座ってご鑑賞いただけます。(都響サイト)
会場/東京文化会館 大ホール・ホワイエ
毎回13時開演、入場無料  (開場:12時30分)

【今後の予定】
2011年6月21日(火)13時開演(12時30分開場)
東京文化会館大ホール・ホワイエ
出演者 チェロ:松岡陽平
曲目 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4,5,6番より

http://www.tmso.or.jp/j/news/teatime.php


クラシックの無料コンサート&ワンコイン・コンサート(2014年2月)


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