2010年10月27日水曜日

横浜美術館「ドガ展」




 先日、横浜美術館のドガ展を見てまいりました。展示された作品は国内外のコレクションから油彩、パステル、デッサン、彫刻等120点に及ぶ結構な数でした。展示の順路が年代と作品の傾向の変遷に沿っていたので、ドガの人となりや創作上での紆余曲折を垣間見れたような気がします。
 改めて思ったのは、ドガは人物を被写体にすると、直感的に本能的に何の迷いもなく線やタッチを強い存在感をもって描くことができた稀有な才能の持ち主だったということです。バレエの踊り子の習作や油彩、乗馬の絵も見事ですが、特に見事なのは裸婦のデッサンですね。後ろ向きの裸婦は人体の質感はもちろん、力感や空間を感じさせつつ壮大な小宇宙をも表出しています。これまでドガは卓抜なデッサンの名手とだけ思っていたので、この柔らかく深い世界は正直、驚きでした。

 また、ドガにとっては珍しい風景画も展示してありましたが、秀逸な人物画を見慣れているせいか、登場人物が出てこない舞台のようでちょっと違和感が残りました!?
 挿し絵やパンフレットのメインビジュアルもあったりして、これは何と贅沢なんでしょう!これほど説得力があり完成度の高い挿し絵があれば、仮に内容が稚拙であっても絵の魅力でそれを補って余りあるのではないかと思ってしまいます。
 この展覧会はかなり人気があるらしく、私が行ったのは平日の午後でしたが意外と来場された方でいっぱいでした。土日はかなりの混雑になるのではと思います。


時間がとれる方であれば平日のほうをおすすめしたいと思います。
【ドガ展・展覧会概要】
◯横浜美術館
 〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 
 TEL045-221-0300
◯2010年9月18日(土)〜12月31日(金)
◯10:00〜18:00
(毎週金曜日は20:00まで開館。入館は閉館の30分前まで)
◯休館:毎週木曜日
(ただし12/23、12/30は閉館)
◯チケット
(一般1500円、高校・大学生1200円、中学生600円、中学生以下無料)

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