2013年3月6日水曜日

ルーベンス 「栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」







 3月話題の展覧会と言えば何と言っても上野の国立西洋美術館で始まったラファエロ展ですが、それに次いで見ものと言えばやはり「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」展ということになるでしょう。ルーベンスは言うまでもなくバロック絵画を代表する天才画家ですが、それだけでなく何か国語も自在に操る外交官としてヨーロッパ諸国の政府間の交渉でも活躍したのでした。しかも書籍の装丁も手がけたり、人文主義の学者として様々な研究も発表したと言います。
 おそらく何でも見事に仕事をこなすマルチ人間として各方面から引っ張りだこだったのでしょうね! ルーベンスの絵はあらゆる人を唸らせる圧倒的なヴァイタリティとテクニックが印象的ですが、その絵のルーツを辿っていくとミケランジェロ、ダヴィンチ、ティツィアーノ、カラヴァッジョとルネサンス期のイタリアの大画家たちから多大な影響を受けたといいます……。
 こういったことからも、標題にもある「原点のイタリア」はルーベンスがイタリア滞在中にこれらの巨匠たちからどれほど大きな影響を受けたのか……ということがこの展覧会で実感できるのかもしれません。ルーベンスの絵の存在感とエネルギッシュな迫力がどこから生み出されたのか…?そのルーツを辿ると言う意味でもなかなか興味の尽きない展覧会ですね!

 
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 17世紀バロック時代のヨーロッパに名声をとどろかせた画家ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)。8年間のイタリア滞在を終えてアントワープに帰郷したルーベンスは、大規模な工房を組織して、数々の傑作を生み出しました。本展では、彼のイタリア時代の作品を紹介するとともに、アントワープ工房の活動に焦点を当てて、彼自身の手になる卓越した作品を軸に、工房作品、専門画家たちとの共同制作作品、彼が直接指導して制作させた版画を展示します。また、彼の工房で活動した画家たちの、独立した画家としての作品を紹介し、アントワープ画派の豊かな芸術的展開を探ります。[美術館サイトより]


会場              Bunkamuraザ・ミュージアム 
                    東京都渋谷区道玄坂2-24-1
会期              2013年3月9日(土)~4月21日(日)
入場料        一般=1,500(1,300)円
                    高大生=1,000(800)円
                    小中生=700(500)円
                    *( )内は前売/20人以上の団体料金
                    *障害者手帳をお持ちの方は割引あり
休館日        会期中無休
開館時間      10:00~19:00(金・土曜日は21時まで開館)
                    *入館は閉館の30分前まで
問い合わせ    tel. 03-3477-9413
主催              Bunkamuraザ・ミュージアム
公式サイト    http://rubens2013.jp/





2013年2月27日水曜日

メンデルスゾーン オラトリオ「エリヤ」作品70







マタイ受難曲を復活させた功績

 以前、メンデルスゾーンはキリスト教の篤実な信仰者(プロテスタントの要職に就いていた)で、バッハのカンタータや声楽曲に深い愛情を寄せ、敬意を払ってきたとのことを書いたことがありました。しかも一般的には注目されない隠れた傑作を世に知らしめした功績がはかり知れなかったのです。その最大の功績のひとつが人々の記憶から忘れ去られていたバッハのマタイ受難曲を復活公演したことでした。

 そもそもこの歴史的な傑作が本当の意味で陽の目を見たのは、バッハの作品の素晴らしさも然ることながら、メンデルスゾーンの音楽に対する良心や熱意からくるものが大きかったのだと思います。
 ただでさえ難解で公演の成果も予測できない状況で、この作品を編曲して指揮することは大変なプレッシャーを強いられることだったのではないでしょうか。間違いなく言えることはメンデルスゾーンが「マタイ」に心底共感し、真髄を理解し、作品を伝える重大な使命を感じとっていたということでしょう。そのかいもあってバッハのマタイ受難曲は広く人々の心に記憶されるようになったのは言うまでもありません。



メンデルスゾーンの個性が最大限に発揮された傑作

 そのようなメンデルスゾーンがオラトリオを作曲するようになったのは当然の成りゆきで、「エリヤ」、「パウロ」、「キリスト(未完)」と魅力に満ちた3作品を世に送り出しています。そのうち「パウロ」は優れた作品ですが、バッハの影響による手法を色濃く感じる作品でもあります。しかし、「エリヤ」はメンデルスゾーンがオラトリオの創作をする上で初めて彼の個性が作品にまんべんなく反映され結晶化した傑作なのではないかと思います。
 一般的に宗教音楽ともなるとどうしても気負ってしまい、型にはまったり理屈っぽくなってしまいがちなのですが、メンデルスゾーンは宗教音楽としての神聖な雰囲気を充分に保ちながらも、誰にでも分かりやすいオラトリオを作り上げたのです。

   詩的でロマンティックな情緒も随所に絡ませつつも、全体としてはドラマチックで壮大なスケールを持った音楽となっているのです。 そう考えると「エリヤ」はメンデルスゾーン特有の気品や実直さがあらゆる面でプラスに作用している作品と言ってもいいのではないでしょうか。

 「エリヤ」は旧約聖書(列王記の上・下)に登場する預言者エリヤの生涯を描いたものですが、この作品では彼自身の一流の描画を想わせる雄弁で美しい描写が随所に顔を覗かせています。曲を聴き進めていくと、たとえ言葉の意味がわからなくとも今どのような状況が展開されているのかを思い浮かべながら聴くことが出来るのです。宗教音楽でありながら根強い人気を保っているのもそのようなところに根拠がありそうですね!



充実した合唱の数々

 この作品の最大の魅力は合唱の素晴らしさではないでしょうか。「エリヤ」の合唱はヘンデルやバッハのそれと同じようにバロック的な美観を持ちつつも、オペラ的でドラマチックな性格も兼ね備えています。つまり宗教音楽でありながら多様な表現が可能なのです。

 「エリヤ」の合唱で特に印象に残るのは第1部ではただならない嘆きと苦痛を訴える第1曲「主よ助けたまえ…」、絶望の淵を彷徨いながら光の道筋を見つけようとする第5曲「されど主は見たまわず…」
 第2部では行進曲風のリズムが印象的で希望と勇気に満ちた第2曲「恐るるなかれ、我らの神は言い給う…」、穏やかな聖歌を想わせる第32曲「終りまで耐え忍ぶものは救われるべし…」、 強靱な意志の吐露を感じさせる第38曲「かくて預言者エリヤは火のごとく現れ…」そして歓喜に満ちて圧倒的なクライマックスを迎えるフィナーレ、「かくて御身の光暁の如くあらわれいで…」あたりでしょうか。








演奏の出来が感銘の度合いに影響

 この作品は演奏によって大きく様変わりします!つまり演奏次第で曲が生きも死にもするということなのです。オペラほどではないにしてもドラマチックで壮大なスケールを感じさせる演奏……。宗教的な浄福の境地と品格を備えた演奏……。このような要素がバランスよく演奏に溶け込んでいなければいい演奏にならないのです。でも実際はそういう演奏にはなかなかお目にかかれませんね。
 
 そのような状況ですが、ヴォルフガング・サヴァリッシュがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ライプツィ放送合唱団を指揮した1968年(フィリップス)盤は曲の本質を見事に表現した圧倒的な名盤です。これまでこの曲をサヴァリッシュは何度指揮したのでしょうか…? ドイツ国内ではもちろんのこと、日本でも国立音大とNHK交響楽団との共演がありましたし、1986年には同じ顔合わせでのCDも発売されていました。

 サヴァリッシュはよほど「エリヤ」との相性がいいのでしょう!演奏は自信に満ちていますし、最後まで停滞することなくドラマティックな側面をしっかりとつかんで劇的にこのオラトリオを盛り上げていきます!合唱の精度も非常に高いですし、独唱に名歌手シュライヤー、アダム、アメリングらを配したアリアの数々も本当に魅力的です。





2013年2月19日火曜日

ルネサンスの優美『ラファエロ』展

遂にラファエロの名画がやってくる!


ラファエロ・サンツィオ 《大公の聖母》
1505-06年 油彩/板 84.4x55.9cm フィレンツェ、パラティーナ美術館



 ラファエロというと昔からミケランジェロやダヴィンチと並び、ルネッサンスの三大巨匠という評価が高い画家ですよね!しかしミケランジェロが強靱で宇宙的なスケールを持った作品を創り、ダヴィンチが科学的な根拠に基づき端正で神秘的な作品を創ったのに対しラファエロには強烈なイメージがあまりありません……。
 しかし、ラファエロには彼らにはない高貴さ、優しさがあります!しかもその画風は決してチャラチャラしたものではなく、重厚かつ神聖な雰囲気に充ち満ちているのです! 例えば永遠の聖母子像のイメージと言われるラファエロの『大公の聖母』はその最たる例ではないでしょうか。おそらく「あー、あの絵ね!」と思い出す方も多いことでしょう。その優雅で気品溢れる姿は絶品の一言に尽きます。
 そのラファエロの絵が今回は20枚ほど展示されるとのこと!これは異例中の異例の出来事と言っていいかもしれません。中でも最大のメインは上記の『大公の聖母』に尽きると言っていいでしょう! これは彼の作品の中でも指折りの名画の一つで、この絵が「日本に来ないだろうか…」と思っていたファンの方も決して少なくなかったのではないでしょうか!
 今回のラファエロ展はなかなか期待が持てそうです!どうぞお見逃しないように……。





 ルネサンスを代表する画家ラファエロ・サンツィオ(1483-1520年)。ルネサンス絵画を完成させ、後の画家たちの手本となったラファエロですが、作品の貴重さゆえに展覧会の開催はヨーロッパにおいてもきわめて難しいとされています。本展はヨーロッパ以外では初となる大規模なラファエロ展です。
 本展にはペルジーノらの影響が色濃く残る修業時代の作品から、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロに触発されたフィレンツェにおける作品、そして1508年にローマへ上京し、教皇のもとで数々の大規模プロジェクトに携わった晩年の作品まで、20点以上のラファエロ作品が集結します。...以後の美術表現に絶大な影響を与えた画家ラファエロの全貌を知る、絶好の機会となるでしょう。(美術館サイトより)

会場      国立西洋美術館 
        東京都台東区上野公園7-7
会期      2013年3月2日(土)~6月2日(日)
入場料     一般=1,500(1,300)円
        大学生=1,200(1,000)円
        高校生=800(650)円
        *( )内は前売/20人以上の団体料金
        *中学生以下は無料
        *障害者とその介護者1名は無料(要障害者手帳)
休館日     月曜日(ただし、4/29、5/6は開館)、5/7(火)
開館時間    9:30~17:30(金曜日は20時まで開館)
        *入館は閉館の30分前まで
問い合わせ先  tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催      国立西洋美術館、フィレンツェ文化財・美術館特別監督局、
        読売新聞社、日本テレビ放送網
公式サイト   http://raffaello2013.com/



2013年2月6日水曜日

「筆あとの魅力-点・線・面」を観て



描かれた背景や着眼点を見いだすこと



ワシリー・カンディンスキー
《二本の線》
1940年, 60.0×70.0cm, ミクストメディア・カードボード





 先日、ブリヂストン美術館の企画展「筆あとの魅力-点・線・面」を観てきました。いわゆるブリヂストン美術館所蔵の作品展なのですが、さりげない演出のうまさに感心いたしました。
 まず最初のコーナーで眼に飛びこんでくるのが、今回のテーマにとりあげられている「点・線・面」を代表するそれぞれの作品の展示です。 実はこの「点・線・面」という括りは絵画を理解する上では非常に大切な要素のひとつでもあります。絵画のアウトラインとでもいうのか、その人が何を表現しようとしているのかとか、どんなメッセージを伝えようとしているのかを見極めるにはいい判断材料なのかもしれません。

 それにしても、ジョアン・ミロやパウル・クレー、カンディンスキーら個性の際立つ画家の作品にしっかりとした解説が付け加えられていて良かったですね!
 もしかしたら、カタログからの転載なのかもしれません……。でも鑑賞する人の視点に立った作品の理解を深める丁寧な解説だと思います。
 


 タイトルにもあるとおり「点・線・面」」というテーマは抽象絵画をはじめとする現代の巨匠たちの絵にこそふさわしく、描かれた背景や着眼点を見いだすことや絵画の可能性を発見するという意味ではこのような企画は貴重だと感じました。

 見慣れた絵画でもテーマをはっきりすることによって、それまで見えなかったものが見えてくるようになるというのは素晴らしいことではないかと思います。ぜひまた別のテーマで絵画を興味深く鑑賞できる展覧会を実施して期待しています!!




2013年1月30日水曜日

「筆あとの魅力──点・線・面」ブリヂストン美術館



画家の素顔を垣間見るような展覧会






 昨年の「ドビュッシー 、音楽と美術展」のように、最近ちょっと面白くて興味深い企画展を開催しているブリジストン美術館ですが、今回も大変ユニークな展覧会を開催しているようですね。そのタイトルは「筆あとの魅力ー点・線・面」です。一見何の変哲もない普通の展覧会のように思えますが、実は画家のタッチや描法をテーマにとりあげる展覧会って意外にありそうでないんですよね……。

 そのおかげで今まで見えなかった色彩や構図、タッチの意味がうっすらと見えてきたり、さらに画家の人間性やポリシーまで彷彿とされるとても興味深い展覧会になっています!もしかしたら絵を見る観点がぐーんと変わってしまうかも……。
 もちろん展示される絵も印象派からキュビズム、フォービズム、シュールレアリスム、日本の巨匠たちを中心にとても多彩な顔ぶれが勢揃い! これは見るしかないかも…!!

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 風景、人物、抽象絵画といった作品に描かれた主題、ジャンルにかかわらず、どんな絵でも画面に近寄ってみると絵の具が塗られています。そうした絵画に残された「筆あと」に注意を向けてみると、色のついた「点」を並べていたり、「線」が強調されていたり、「色面」が塗り重ねられているなどの特徴があることに気づきます。それぞれの筆あとから、画家の手の動きや息づかい、画面に刻まれたリズムや身体性などが生き生きと伝わってくることでしょう。
本展では、モネ、ルノワールなどの印象派からセザンヌを経てマティス、ピカソなど20世紀に至る西洋美術の展開を中心に、藤島武二や青木繁などの日本近代洋画、そして戦後の抽象絵画まで約170点を展示いたします。絵画作品の「筆あとの魅力」に注目してブリヂストン美術館のコレクションをお楽しみください。[美術館サイトより]


筆あとの魅力──点・線・面

会場           ブリヂストン美術館 
       東京都中央区京橋1-10-1
会期           2013年1月8日(火)~3月10日(日)
入場料        一般=800(600)円
                  65歳以上=600(500)円
                  大 生=500(400)円
                  *( )内は15人以上の団体料金
                  *中学生以下は無料
                  *障害者とその介護者2名は半額(要障害者手帳)
休館日          月曜日(ただし祝日の場合は開館、翌平日が休館)
開館時間       10:00~18:00(金曜日は20時まで開館)
                  *入館は閉館の30分前まで
問い合わせ   tel. 03-3563-0241




2013年1月24日木曜日

バレエ組曲「くるみ割り人形」






  一般的にクラシック音楽は他の音楽ジャンルに比べて高級だとか、敷居が高いと思われることが多いようです。でも、実際はどうでしょうか? 確かに他のジャンルに比べれば決して親しみやすいとは言えませんし、長くて難解な曲も結構あります。

  でも、音楽の表現の領域や可能性が広いのもクラシック音楽の魅力です。たとえばグレゴリオ聖歌やミサ曲のように静謐で心が洗われる音楽こそ音楽の原点だと思われる方もいれば、マーラーやショスタコーヴィチのように劇的で骨太な交響曲こそクラシックの醍醐味だと力説される方もいらっしゃいます。そうかと思えば、ドビュッシーやラヴェルのようにかっちりしていない詩情豊かな作品がいいという方もいらっしゃいます。
  またシューマンやメンデルスゾーンのようなロマンティックで気品に満ちた作品が好きだという方もいらっしゃるでしょう。その一方でヴェルディやワーグナー、プッチーニのオペラのような圧倒的な声の饗宴こそクラシックの王道だとおっしゃる方の気持ちもよくわかります……。

  すっかり前置きが長くなってしまいましたが、要するにクラシックはとっつきやすい作品やカテゴリーから入っていけばいいのであって、「教養や知識のために聴こう」となるととても無理が出てきてしまいます。結局は「嫌になったから聴くのをやめた」ということになりかねません。
 どなたにもそれぞれ個性や好みがありますから、「ショパンのピアノ曲は好きだけれど、モーツァルトのピアノソナタはちょっと…」とか、「プッチーニのオペラは好きだけれど、ベートーヴェンの交響曲は苦手だなあ…」とか、そういう声が出てきて当然でしょう。でも、それでいいんだと思います。クラシック音楽とは無理に背伸びをせず、ちょっとした些細なことから関心や興味を拡げていくのが面白いのではないでしょうか……。

  そのような観点で言えば、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」はクラシック音楽への入り口としてはうってつけの作品ではないかと思います。何より映画音楽を聴くような気軽さで聴け、しかも全体的に高級感が漂うのがうれしいですよね! チャイコフスキーはバレエ音楽の作曲家としての腕前と品格、華麗な作風、雰囲気、聴きやすさ等、どれをとってもそれに必要な条件を満たしているのです!

いや、それ以上に現代バレエはチャイコフスキーの甘美なメロディを駆使した作品の出現によって聴衆に受け入れられるようになったと言っても過言ではありません。特に「くるみ割り人形」の親しみやすさやストーリーテラー的な音楽の愉しさは抜群です! ファンタジックでメルヘンに富んだメロディの数々は屈託が無く、チャイコフスキーの舞台音楽家としての感性が最高に発揮された名品と言っていいでしょう!

 この「くるみ割り人形」組曲はバレエ音楽の全曲から聴きどころを抜粋した、いわばハイライト版と言っていいと思います。 序曲の可愛らしいテーマがヴァイオリンで鳴り始めると、何故か胸がワクワクしてきますね! そして有名な「行進曲」や「花のワルツ」ではさらに楽器がキラキラと光り輝くように奏され、いつのまにか夢にあふれた「くるみ割り人形」の世界に引き込まれていくのです。

 この曲は人気曲だけあって実に多くのCDがあります。その中で1枚だけとるとすれば、ハインツ・レーグナーがベルリン放送交響楽団を指揮した演奏が雰囲気、録音、すべてにおいてバランスがとれた名演奏といっていいでしょう。レーグーナーの導き出す弦の響きは高級感があって艶があります。安心して曲に浸ることができますし、くるみ割り人形の隠れた魅力を発見できるかもしれません……。


2013年1月16日水曜日

エル・グレコ展



名画『無原罪のお宿り』が初来日/エル・グレコ展



サン・ニコラス教区聖堂(サンタ・クルス美術館寄託)
トレド、スペイン / 1607-1613 年/ 347×174cm /
© Parroquia de San Nicolás de Bari. Toledo. Spain.





 エル・グレコは17世紀のベラスケスや18世紀のゴヤと並び、世界に名だたるスペインの巨匠の系譜を代表する画家です。ベラスケスの絵が気品に溢れたクラシカルな正統的絵画の代表であるとすれば、グレコの絵は大胆な構図やデフォルメ、輝かしい色彩で宗教画に革命をもたらしました。ピカソ、シャガールをはじめとする現代の画家たちにも大きな影響を与えています!
 昨年の大阪展に引き続き、今回の「エル・グレコ展」では彼の名画「無原罪のお宿り」が出品されるそうです。16世紀の情熱の画家、エル・グレコの世界に触れる絶好の機会かもしれません。



 没後400年を迎えるスペイン絵画の巨匠エル・グレコの大回顧展。

 エル・グレコ(本名ドメニコス・テオトコプーロス、1541~1614年)は16世紀から17世紀にかけてのスペイン美術の黄金時代に活躍し、ベラスケス、ゴヤとともにスペイン三大画家の一人に数えられます。ギリシャのクレタ島に生まれ、ヴェネツィア、ローマでの修行を経てスペインのトレドにたどりついたエル・グレコは、揺らめく炎のように引き伸ばされた人物像が印象的な宗教画や、モデルの人となりをも描き出す独自の肖像画で、当時の宗教関係者や知識人から圧倒的な支持を得ました。ピカソら20世紀の巨匠たちからも、その作品は高く評価されています。
 本展覧会では、プラド美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館など、世界の名だたる美術館やトレドの教会群から油彩およびテンペラ画51点が集結。高さ3メートルを超える祭壇画の最高傑作の一つ《無原罪のお宿り》も初来日し、国内史上最大のエル・グレコ展となります。[美術館サイトより]


会場               東京都美術館 
                     東京都台東区上野公園8-36
会期               2013年1月19日(土)~4月7日(日)
入場料            一般=1,600(1,300)円
                     学生=1,300(1,100)円
                     高校生=800(600)円
                     65歳以上=1,000(800)円
                     *( )内は前売/20人以上の団体料金
                     *中学生以下は無料
                     *障害者とその介護者1名は無料(要障害者手帳)
休館日            月曜日(ただし、2/11は開館)、2/12(火)
開館時間         9:30~17:30(金曜日は20時まで開館)
                     *入館は閉館の30分前まで
問い合わせ     tel. 03-3823-6921
主催               東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、NHK、
                      NHKプロモーション、朝日新聞社後援:外務省、スペイン大使館