2014年10月14日火曜日

クリストファー・ホグウッドさんの死…










古楽の星
ホグウッドさん逝く


 クリストファー・ホグウッドさんが9月24日に逝去されました。73歳だったということです。今年の秋に日本で公演が予定されていたプログラムはキャンセルになり、心配されていた方も少なくなかったと思いますが、本当に残念です。

 ホグウッドさんといえば、強烈な印象を植えつけられたのがヘンデルの「メサイア」(オワリゾール)でした。それまで大編成のオーケストラとコーラスで圧倒する演奏が主流だった当曲に、オリジナル楽器ならではの魅力をつけ加え、新鮮な驚きと感動を与えてくれたのです。

 小編成のオーケストラから繰り広げられる透明感に満ちた響きやカークビーをはじめとするソリストや合唱から澄んだハーモニーをもたらしてくれた衝撃は35年を経過した今も忘れられません。
 あの名演奏からヘンデルのオペラ、オラトリオの演奏はすっかり変わった…と言っても過言ではないように思います。

 その後もヘンデルのオラトリオ「アタリヤ」、「エステル」、オペラ「オルランド」、「リナウド」、モーツァルトのオペラ、交響曲集、ハイドンのオラトリオ、交響曲集等、バロック、古典派で披露してくれた嫌味のない音楽に胸をワクワクさせたものでした。

 ホグウッドさんがオリジナル楽器に市民権をもたらした功績、ヘンデルの音楽に新たな光をあてた功績は、今後も決して忘れ去られることはないでしょう。
 改めてご冥福をお祈りいたします。





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