2014年7月20日日曜日

国立新美術館 「オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―」









 先日、六本木の国立新美術館で開催されている「オルセー美術館展2014」に行ってまいりました。
 平日の午後というのに大変な混雑ぶりで、今日は何か特別なイベントの日なのか…と思ってしまうほどでした。
 改めてオルセー美術館と印象派の粋を集めた作品の日本での人気の高さを物語るようです! ところで作品全般についてですが、何度も日本で公開されたり、本の解説等で有名な作品が目白押しで、なかなか密度の濃い展覧会だったと思います。

 マネの絵が11点、セザンヌの絵が8展、モネの絵が8展、それぞれが代表作にあげてもおかしくないほどの充実した作品揃いでした。本音としては1回だけではどうしても良さを味わえないので、会期中にもう1回来てもいいかな…と思ったほどです。

 それでは印象に残った作品を簡単にご紹介したいと思います。
 まず、マネの「笛を吹く少年」。
 あまりにも音楽関係の本やサイト等で扱われる事が多い有名な絵ですが、純粋に絵として見てもその完成度の高さに目を奪われます。特に素晴らしいのが大胆なタッチで描かれた輪郭線と空間表現の巧さでしょう!また、シンプルな姿態に隠される秀逸な構図も素晴らしいの一言に尽きます。




 セザンヌの「レスタックから望むマルセイユ湾」は代表作サント=ヴィクトワール山を思い出させるとても密度の濃い作品ですね!絵としてよくこなれていてますし、空気や光等のさまざまな要素が画面の中で渾然一体となり、風格と気品すら感じさせます。おそらくこの絵は何度見ても飽きないのではないでしょうか……。





 モネの「かささぎ」ですが、この人は自然の移り変わる瞬時の出来事にとても心惹かれるのでしょう。この絵でも光を浴びて様々な表情に変化する雪の美しさを実に見事に描いていますね!何気無い日常の風景に発見と喜びを見出した画家の創造性豊かな感性が伝わってきます。





 シスレーの「ルーブシエンヌの道」の華のある風景画もいいですね。明るい陽光と色彩の美しさに思わず魅入ってしまいそうです。







  ミレーの「晩鐘」ももちろん穏やかな情緒を描ききった名画ですが、この作品はできればじっくりと一人で味わいたい(絵と対話すると言ったらいいかもしれません)作品ですね……。どうしても人が多いとこの絵の良さを充分に堪能できないような気がします。

 とにかくこの展覧会は画家のエネルギーが伝わってくる素晴らしい展覧会だと思います。10月まで開催されているので、また少し時間を置いてからもう一度行ってみたい気もしますね……。


オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-
会期  2014年7月9日(水)~10月20日(月)
場所  国立新美術館 企画展示室2E
住所  東京都港区六本木7-22-2
休館日 毎週火曜日、9月24日(水)
※8月12日(火)、9月23日(火)、10月14日(火)は開館
時間:10:00~18:00 (金は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
※8月16日(土)以降の毎週土および10月12日(日)以降毎日20:00まで
料金  一般¥1,600(¥1,400)、大学生¥1,200(¥1,000)、
    高校生¥800(¥600)、中学生以下無料
    ※()内は前売り・団体料金
TEL  03-5777-8600
URL  http://orsay2014.jp/index.html






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