クリスマスの雰囲気が希薄に
今年もクリスマスの季節がやってまいりました。12月に入ってから各地でショーウインドウ のクリスマスの飾り付けやイルミネーションが始まってますね!今年は表参道のイルミネーションも復活するとか……。楽しみです。
でも最近は昔に比べると、なぜかクリスマスらしい雰囲気が希薄です。昔のクリスマス時期のたとえようのないワクワク感や神聖な雰囲気は一体どこへいってしまったのでしょうか…? 思えば昔、クリスマスの日というと雪がちらつくことも珍しくありませんでした。それが冬の風物詩としての神秘的な雰囲気を一層盛り上げたことは間違いないでしょう。ところが最近は温暖化の影響なのか、冬を冬として捉えられない日も決して少なくありません。特に日中の眩しいばかりの強い日差しはとても冬とは思えませんね。
それと時代の流れなのか、ネット革命によって暮らしは便利になったものの、便利さとの引き換えに人は多くのものを失ってしまったようにも思います。その一つに季節、時間、場所に関係なく、欲しいものがあればいつでも取り寄せられる便利さがかえって人の心の時間・空間感覚の麻痺を生み出してしまったのではないでしょうか。あり余るほどの情報の渦に溺れ、忙しくなるうちにひとつのことにじっくりと心を寄せることが難しくなってきました。家族が揃ってクリスマスをお祝いするという昔の習慣も今やバレンタインデーやハロウインのようなお祭りの一つになってきているのではないでしょうか。
魅力いっぱいカーペンターズのクリスマス・アルバム
前置きがすっかり長くなってしまいました。かつての懐かしい思い出とともに必ずと言っていいほど、心に浮かんでくるクリスマスアルバムがあります。それがカーペンターズの『クリスマス・ポートレート』です。これは1978年に発表され、当時話題になったものでした。
このアルバムはアルバム作りの合間の余興という意味合いはまったくなく、極めて真摯に創作に取り組んだことが聴いていただければお分かりになることでしょう。そんな訳で『クリスマス・ポートレート』はカーペンターズの数々のアルバムの中でも屈指の名盤、代表作といえるでしょう!また往年の名歌手ビング・クロスビーやナット・キング・コール、フランク・シナトラらが出したクリスマスアルバムに匹敵するか、それ以上のクオリティではないかと思います。
まず、カレンの澄んだ美声と明瞭な発音に癒されますね…。聴いていてとても安心なのです。声に変な癖が無いのに確かな存在感があり、人を幸福にする天性の歌声でした…。何より深い情感がこもっているのにサラリと明るく歌ってみせるさりげなさがとても魅力でしたね。特に『クリスマスソング』と『主は生まれ給いぬ』の声の輝きと優しさに満ちた表情が何とも言えません。誰からも愛される人柄、人の心に優しく語りかけるメッセージはこのアルバムからも存分に聴きとる事ができます!
そして忘れてならないのが、リチャードの編曲の素晴らしさでしょう!カレンの歌との相性も抜群、雰囲気満点で、聴く楽しさが何倍にも増幅されている感じです。
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