2012年7月27日金曜日

ドビュッシー 、音楽と美術 ー印象派と象徴派のあいだで


ドビュッシー生誕150年記念 創造の源泉を垣間見る


作者不詳[ショーソンとルロールのそばでピアノを弾くクロード・ドビュッシー、セーヌ=エ=マルヌにて]
1893年8月、水彩・紙、8.711cmオルセー美術館蔵






  この展覧会のタイトルからすると、もしかしたらドビュッシーの絵画的な作品を取りあげたミニコンサート(または音楽とのコラボ!?)と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。「ドビュッシー 、音楽と美術……」と画家の名前ではなく作曲家の名前がメインタイトルになる展覧会はあまり記憶がありません。
  先日この展覧会を東京・京橋のブリジストン美術館で見てきたのですが、ドビュッシーの人間性の一部が垣間見れたような気がしてなかなか面白かったですね。

  ドビュッシーが活躍した時代(19世紀後半から20世紀初頭)は、今までになく絵画や音楽が幸福な影響を及ぼしあった時代でした。ドビュッシーの代表作の「海」や「牧神の午後の前奏曲」、「夜想曲」、「版画」、「映像」は絵画的なイメージや空気感が繊細に綴られた作品であることは一聴すれば納得されるに違いありません!
  この展覧会は彼と関わりの深かった音楽家や画家、作家、作曲家の友人たちとの作品の創作へ発展するエピソードや資料が展示されており一種のドキュメンタリーを眺めているような感覚にとらわれました。
  彼が日本の調度品や北斎、広重の浮世絵を愛していたこともなるほどな……。ですし、画家のカンディンスキーやクレーが音楽に着想やインスピレーションを得たというところもなかなか興味深いところです。しかし、あの神秘的でオリジナリティあふれる音楽を生み出した創作の本質のポイントがどこにあったのかということはやはり絵や資料を見ながらもドビュッシーの個性、人間性の賜物としか言いようがないと結論づけるしかないのでした。

  美術館を出た時、無性にドビュッシーの音楽が聴きたくなったのは決して私一人ではないでしょう……。




ドビュッシー、音楽と美術──印象派と象徴派のあいだで

会場     ブリヂストン美術館 
       東京都中央区京橋1-10-1
会期     2012714日(土)~1014日(日)
入場料    一般=1,5001,300)円
       65歳以上=1,3001,100)円
       大高生=1,000800)円
       *( )内は前売/15人以上の団体料金
       *中学生以下は無料
       *障害者とその介護者2名は無料(要障害者手帳)
休館日    月曜日(ただし、7/169/1710/8は開館)
開館時間   10001800
       *入館は閉館の30分前まで
問い合わせ先 tel. 03-3563-0241
主催     オルセー美術館、オランジュリー美術館、石橋財団ブリヂストン美術館、
                       日本経済新聞社
公式サイト  http://debussy.exhn.jp/



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