2012年1月3日火曜日

1960年から1970年代のイージーリスニングを振り返って3





イージーリスニング黄金期を振り返る3
(フランス編)


ポール・モーリア
(Paul Mauriat, 1925 - 2006)

 イージーリスニングと言えばまずポール・モーリアの名前が出てこなければやはり嘘でしょう。そう言っても不思議でないくらいポール・モーリアはイージーリスニング界に絶対的な足跡と存在感を残しました! 彼の名前を一躍有名にした「恋は水色」は全米ヒットチャートのトップを何週も記録し、哀愁が漂う独特のムードの「エーゲ海の真珠」はイージーリスニングの常識を決定的に変えました。
 その後も「蒼いノクターン」、「涙のトッカータ」、「薔薇色のメヌエット」、「オリーブの首飾り」、「想い出のランデブー」等ヒット曲を連発し、イージーリスニングの押しも押されぬ黄金時代を築いたのは皆さんもう充分ご存知のことと思います。
 音楽としてはビートを適度に利かせつつ、サンバ、ポップス、ロック調の曲を作ったりするものの、出来上がったものはモーリアサウンド以外の何物でもありませんでした。オリジナルの良さを生かしながらも
「色彩」や「輝き」を注入し、まったく別物のサウンドを作り上げた抜群のセンスは彼ならではのものだったのかもしれません。
 「聴いて気持ちいい」から「聴いて感動した」、「心に残った」音楽をはじめてイージーリスニング界で成し遂げた人こそ、ポール・モーリアであることに異論がある人はいないでしょう。


恋は水色

蒼いノクターン

レイモン・ルフェーブル
(Raymond Lefèvre, 1929 - 2008)


イージーリスニング系アーティストの中では最もクラシカルな雰囲気を持ち、彼の手にかかると通俗曲もポップスも格調高く洒落たイメージの曲に生まれ変わったものでした!色彩感や陰影に富む独特のサウンドは常に洗練されており、改めてフレンチイージーリスニングの奥深さを感じさせてくれたのでした。
ソロ楽器の使い方が非常にうまく、それぞれの楽曲を印象的で暖かみのあるものにしています。アレンジに関しては天才的な能力を発揮したものでした!特に「シバの女王」、「ソロモンの夢」、「哀しみの終わりに」などはルフェーブルでなければ実現不可能だったアレンジの名曲の代表格でしょう!


哀しみの終わりに

シバの女王




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