2011年12月20日火曜日

ハイドン 交響曲第96番ニ長調 Hob.I:96「奇蹟」



ミンコフスキのワクワクするハイドン!




 ミンコフスキと言えばバロックオペラやモーツァルトのオペラ等にすこぶる相性の良さを示していますが、もちろん管弦楽曲もツボにはまれば素晴らしい名演奏を披露しています。
 さて、早速ハイドンの交響曲を聴いての感想ですが、結論から言うとどれもこれもそれぞれに素晴らしい名演奏になっています。全体的にチャーミングな表情付けとオリジナル楽器特有の澄んだ響きが高い次元で融合していますし、胸がワクワクするような新鮮な響きが随所に聴かれるのです。
 何より、ミンコフスキのパワフルで豪放な表現やスッキリした造形がいい意味でプラスに作用し、ハイドンにピッタリの音楽を奏でているのかもしれません。少し前まではハイドンの交響曲の演奏と言えば、「つまらない」、「型にはまっている」というのが通説のようになっていましたが、このミンコフスキの演奏を聴けばもう過去の話になるのかもしれませんね。

 今回はその中で割合に地味で、比較的に演奏される機会の少ない第96番「奇蹟」をとりあげてみようと思います。
 第1楽章は強烈な個性はないものの、何度聴いても飽きないよく練られた構成と音楽の充実感が目を見張らせます。第2楽章でヴァイオリンに導かれて展開される人懐っこい主題や再現部の生きる喜びを謳歌するかのようなメロディは純粋無垢な世界の極みといったらいいのでしょうか!?第3楽章、第4楽章ともに単純なリズムや和音から充実した音楽を生み出し、驚くほどの効果を引き出しています!

 これまで96番の名演奏と言うとワルターが振ったCBS盤くらいしか浮かんできませんでした。しかし、この演奏はそれに肩を並べるか、みずみずしい表情、新鮮さではワルター盤を上回る名演奏となったのです。ミンコフスキの演奏の特徴は特に緩徐楽章で顕著に表れています!たとえば弦楽器が柔らかい響きで瞑想を奏で、ヴァイオリンやファゴット等の独奏部分を引き立てていることです。つまり心地よい楽器の対話がなされているということなのでしょう!もちろん全体の造型も格調高く、あいまいなところ、通り一辺倒なところがありません。

 オリジナル楽器の透明な響きを生かしつつも、音楽性に満ち溢れ、モダン楽器の演奏以上に雄弁な響きを獲得したミンコフスキのハイドンはこれからハイドン演奏のひとつの標準になっていくのでしょうか?
 





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