イージーリスニング黄金期を振り返る
(アメリカ・カナダ編)
今回は趣向をちょっと変えて、〝イージーリスニング〟についてお話ししたいと思います。かつて「イージーリスニングなんてホテルやレストランの環境音楽だよ」とおっしゃる方がいらっしゃいました。確かに耳障りにならず、場を静かに盛り上げたり、邪魔にならないように作られているのですから、それはごもっともだと思います。
そのイージーリスニングですが1960年代の後半から1980年代にかけて、いわゆる黄金期と評されるような時代がありました。この時代は街角のあちこちから軽快で心を癒やすメロディが盛んに流れていたのをついこの間のことのように思い出します。
しかも、その場の雰囲気に馴染むBGMとしてだけではなく、独立した音楽としてもメッセージ性を持ち、時代を反映した魅力のあるものだったのが印象的でした。
残念ながら今ではイージーリスニング界にそのようなアーティストは現れていないのではないでしょうか。
そこで今回は、何回かに分けてイージーリスニング黄金期のアーティストたちや曲を振り返っていこうかと思います。
ビリー・ヴォーン
BILLY VAUGHN (1919-1991)
アメリカのイージーリスニングの音楽家で真っ先に思い浮かぶのはビリー・ヴォーンです。ビリー・ヴォーンは「波路はるかに」や「珊瑚礁の彼方に」に代表されるようなハワイアンムード調で有名な人でした。
彼の音楽はとても人なつっこく、いつも明るく微笑みかけてくるので知らず知らずのうちに元気をもらっていたといってもいいかもしれません。「Look for a Star」のような爽やかで構成力抜群のナンバーも素晴らしいと思います。
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パーシー・フェイス
PERCY FAITH (1908-1976)
パーシー・フェイスと言えばすぐに思い出されるのが「夏の日の恋」です。この作品は30年に1度出るかどうかというくらいのイージーリスニングの傑作ではないでしょうか?とにかく弦楽器のゴージャスな雰囲気と1950,60年代のアメリカンポップスをミックスしたような感覚がとても新鮮でした。
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フランク・ミルズ
Frank Mills (1943- )
フランク・ミルズと言えば、「愛のオルゴール」がとても有名ですね。この人の場合はリチャード・クレイダーマンのようにピアノを中心にした音楽が印象的でした。気軽に口ずさめるメロディが多いのですが、なぜか心に引っかかるエモーショナルな音菜が魅力でしたね。
「街角のカフェ」「詩人と私」、「夢見るピアニスト」などいろんなところで曲が流れていたのを覚えています!自然に場の雰囲気に溶け混む音楽だったんですよね!心のどこかで記憶に残る…そういう音楽だったのだと思います。
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