2015年1月19日月曜日

ホイッスラー 「白のシンフォニー No2 小さなホワイト・ガール」










計算された
センス満点の絵

 先日、横浜で開催されているホイッスラー展に行ってきました。その中の代表的な作品のひとつが「白のシンフォニーNo.2小さなホワイトガール」です。

 以前この絵を見た時は、特徴に乏しいジャポニスムを多少意識した絵ぐらいにしか思っていなかったのですが、改めて見ると実によく計算されたセンス満点の絵だったことがわかりました。 ジャポニスムの影響を受けて様々な試みを絵の中で生かそうとした人だけに、すべてにおいて洗練されていて、デザインのようにさまざまな要素が効果的に配置されているのです。
 色調のバランス、洗練された色彩、無駄の無い構図はホイッスラーが第一級の画家であることを強く印象づけるのです。

 この絵の良さはいろいろあるのですが、中でも構図は素晴らしく、一見立っているだけのように見える女性の姿にはさりげなく奥行きと動きが出るように施されているのです。たとえば頭から足元にかけて45度の垂直線を描き、画面を左右に二分するような三角形の構図は美しく安定した構図を生みだし、優雅さを表出することにも大いに寄与していることに注目したいですね。

 人物画は表情が美しくないと魅力が半減するといわれていますが、この絵は表情が美しく見えるような工夫がいたるところで施されていて秀逸です!繊細で優しいタッチや調度品、花、うちわの温かい色調が白いドレスをさらに引き立てています。



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