《食前の祈り》(1740) ルーヴル美術館 油彩
Bénédicité 1740 (49 × 38 cm)Musée du Louvre (Paris)
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白い花瓶の花(カーネーションと月下香とスイートピーが活けられた花瓶) (Bouquet D'Œillets) 1760-1763年頃 44×36cm | 油彩・画布 | スコットランド国立美術館 |
《木いちごの籠》1761年頃 油彩、画布 38×46cm 個人蔵
©RMN-GP / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF- DNPartcom
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シャルダン展 ― 平凡な日常の普遍的な輝き
いよいよ18世紀フランスの巨匠、シャルダンの絵が公開されます!場所は丸の内の三菱一号館美術館。シャルダンといえば微笑ましく慎ましやかな家族の様子を描いた人物画「食前の祈り」や「シャボン玉」とかが有名です。
「食前の祈り」は確かによく描かれた名作ですが、どうも一般的な意味での生き生きとしたメッセージを表した絵ではありません。人物のポーズはあらかじめ準備されたものではなく、日常の何気ない一コマを切り取ったものなのです。
まるで一瞬のやりとりを永遠に静止させてしまったようなその雰囲気は独特で、下手をすればとても品のないギクシャクした絵になりかねません。しかし、何でもないところに普遍的な輝きを発見するシャルダンはこの絵に深い愛情を降り注ぎ、類例のない魅力に満ちた絵に仕上げています!
その魅力がさらにはっきりと表現されているのが彼の静物画でしょう。ひとことで言えば西洋絵画史上これほど魅力にあふれた静物画はないかもしれません。奥ゆかしく上品で、それでいてさりげなく強烈な存在感を見る人に認識させるのです。驚くのは一つ一つのモチーフの絵を構成する上での関係性の深さとモチーフそのものに対する愛情の深さです。絵の中に穏やかな空気が流れ静謐な佇まいが脈々と息づいていることに気がつきます!とにかくシャルダンの絵の魅力は一言では語り尽くせない独特の魅力があります。じっくりと絵画の醍醐味を味わう最高の機会になることでしょう。
会期 2012年9月8日(土)~2013年1月6日(日)
休館日 月曜休館 / 12月29日(土)~2013年1月1日(火)
(但し、祝日の場合は開館し、翌火曜休館 / 12月25日は開館)
主催 三菱一号館美術館、NHKプロモーション、読売新聞社
公式サイト http://mimt.jp/chardin/
ジャン=シメオン・シャルダン(1699-1779)はフランスを代表する静物・風俗画家であり、その静謐で堅牢な場面構成はセザンヌ等にも影響を与え、海外では知名度・評価ともにきわめて高い画家です。しかし我が国では熱烈なファンがいるものの、その知名度は決して高くありません。シャルダンの作品は国内ではわずか数点しか所蔵されておらず、海外でも作品をまとめて所蔵しているのはルーヴル美術館のみとなります。本展は、ロココ時代を生きた、この孤高の画家を紹介する日本で初めての野心的な試みとなります。シャルダン研究の世界的権威ピエール・ローザンベール氏(ルーヴル美術館名誉館長)が厳選した作品によりシャルダンの静寂なる世界を心ゆくまでご堪能ください。【公式サイトより】
シャルダンが好んで描いたのは、実際に使用している身の回りの家庭用具や、食材のモチーフ。みずみずしい果物のほか、狩猟されたばかりの兎や魚など一見すると残酷な描写も、何度も彼の作品に登場している。なかでも、晩年の静物画の最高傑作と言われる『木いちごの籠』は、必見。かごに山積みにされたいちごは、思わず手を伸ばして食べたくなってしまうくらい、とってもジューシーでおいしそう。これからジャムにするのか、ケーキに使うのか、それともみんなで食べるのか…なんて、想像が膨らむ。これは個人所有のため、普段はどこの美術館でも絶対に観ることができないから、これを逃したら鑑賞する機会はなかなか訪れない貴重な機会であることは間違いない。【オズモールより】
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