2011年7月13日水曜日

国立西洋美術館常設展9 モネ「睡蓮」








 モネは見慣れた何でもない風景にちょっとした魅力を発見し、それを光と色彩の巧みな描写によって良さを引き出した人でした。
 ところで「モネの代表作は何か?」とたずねられたら何と答えますか?おそらくほとんどの方は「睡蓮」と答えるのではないでしょうか?モネ=睡蓮だとおっしゃる方もいらっしゃるくらいです。確かにこの「睡蓮」のシリーズは画家としてのモネのすべてがあるといっても過言ではないと思います。それほど生命力、色彩の神秘的な鮮やかさ、存在感では際立っているのです。

 世界各国に連作として結構な数の「睡蓮」が展示されていますが、国立西洋美術館のこの「睡蓮」も素晴らしい出来映えです。モネはアトリエにわざわざ日本式の庭園を造り、晩年の創作のほとんどを「睡蓮」に費やしたといいます。

 おそらくモネは「睡蓮」を描くことに画家としての大切な何かを見つけたのでしょう。絶えず時間の流れとともに多彩な表情を映し出す水面とそこに浮かぶ睡蓮の花の対比の面白さ……。それはモネの創作意欲をこの上なく刺激したのかもしれません!
 この作品はモネ自身、庭園の池というわずかな空間に表出する神秘の世界をまるで宇宙を見るような興味と関心を注いで描き綴ったような気がしてなりません。画面全体を埋め尽くす水面の大胆な構図や迷うことなく運ばれる筆のタッチは神秘の世界を醸し出しています。



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